Tiffany-1 花瓶
高さ約9cm、直径約5cm サイン:L..C.T. 1113A 制作年代 1906年

 宝飾の店で有名なティファニーの創始者の長男であり、アメリカにおけるアールヌーボーの最高峰である、ルイス・コンフォート・ティファニーの工房の作品で、いわゆる文鎮ガラス(Paperweight Glass)の小さな花瓶。

 鈍い金色が虹彩を帯びて、いわく言いがたい深みと輝きが融合しています。形も、小さいのにバランスが良いだけでなく、肩付きの茶入れに似て精神性が感じられ、見つめていると、自分という存在がこの小さな花瓶に次第に吸い込まれてしまうような妙な錯覚に見舞われます。

 これを手に入れることができたのは幸運でした。もっとも、e-Bayで競り落としてから手元に届くまでに3ヶ月近くかかり、その間へたな英語でsellerと何回も状況確認のメールをやり取りし、一時返信が来なくなったとき(あとでsellerのPCがこわれたことを知った)は騙されたかとe-Bayのtrouble claimの手続きを調べたり、といろいろやきもきしました。

 「Tiffany Favrile Art Glass」という本によると、製造番号の1113Aの”A”は1906年製であることを示します。