Loetz-7 花瓶
高さ約14cm 直径約9cm 制作年代 1887-1890年

 Onyxという貴石のような装飾が施されている、Loetzとしては比較的初期のガラスです

 当然のことながらこの頃はアールヌーボーの影も形もなく、Loetz工房そのものが、ボヘミア地方は別として、国際的にはまだまったく無名でした。

 そうはいっても、この作品を見ると”さすがにボヘミアングラスの一流工房”と感嘆します。滑らかに磨き上げたスベスベの石のような質感と、首の部分のちょっとザラザラした細密なペインティングが、とても具合よくバランスしています。

 手に持ってじっくり眺めるとますます好ましく思われる作品ですが、残念ながら裏側に2箇所傷があります。(傷は残念ですが、傷がなかったらボクが買える値段にはならないので、やむを得ません)

 (後日談:何だか塗りの傷のように思われて、中性洗剤とシンナーで時間をかけておそるおそる、かつ丹念に拭いてみたら傷が消えました!バンザーイ!!