和名  学名
裸鰓目 Nudibranchia
イロウミウシ科 Chromodorididae
アデヤカイロウミウシ属 Goniobranchus
ニヨリセトイロウミウシ Goniobranchus decorus

撮影 2006/07/21 沖縄県 座間味島
掲載 2011/06/07          ⇒ウミウシの仲間 裸鰓目 ドーリス下目

 約1cm。日本の図鑑では背面全体に斑点がある個体もない個体もセトイロウミウシChromodoris decoraとしています。

 しかし、より新しい刊行で権威ある著者の「INDO-PACIFIC NUDIBRANCHS AND SEA SLUGS」 Terrence M. Gosliner他 では両者を別の種類としていて、斑点がある方をC. decoraとし、斑点がない方をC. setoensisとしています。

 C. setoensisは馬場博士の命名なので、和名のセトイロウミウシはC. decoraではなくて、C. setoensisの方ではないかと推測されます。

 この写真は背面全体に斑点がある個体なので学名はC. decoraで確定です(同一種だとしてもこちらの学名方が記載年が古いので採用される)が、別種だとしたらセトイロウミウシという和名はC. setoensisの方に割り振るべきだと思うので、和名なしかな?

 「INDO-PACIFIC NUDIBRANCHS AND SEA SLUGS」のC. setoensisの解説を読むと、『両者が別種なのか、色彩変異なのか、今後の研究が必要である』とされていて、結論は出ていません。

追記 2015/06/10 『ベータ版 日本のウミウシ』 中野理枝 (2013年 Version 2.0)では両者を同一種としており、同図鑑に準じて「和名なし?」としている部分を削除しました。

追記 2015/12/31 結論が出ました。『ベータ版 日本のウミウシ』 中野理枝 (2015年 Version 4) で、両者を別種とした上で「投稿中の論文で提唱した和名を仮称として掲載する。」と記してニヨリセトイロウミウシを付しています。