和名 | 学名 | |
目 | スズキ目 | Perciformes |
科 | アカタチ科 | Cepolidae |
属 | スミツキアカタチ属 | Cepola |
種 | スミツキアカタチ | Cepola schlegeli |
撮影 2005/05/05 インドネシア フローレス島
掲載 2010/02/22 ⇒アカタチの仲間
忘れもしない5月5日のこどもの日、「明日は飛行機でバリ島に移動なので眼の前のビーチで浅めのダイビングにしませんか」と言われて、フローレス初のビーチダイビングにしました。
リゾートからエントリーして水深15mほどを左にゆっくり移動。“何にもいないなー”と思いながら20分ほどたつと生活廃材がちらほら見えてきました。おそらくリゾートに隣接する人家から出されたものが堆積したのでしょう。
“ウワー最悪。ビーチにするんじゃあなかった”と良い被写体を探すのを半ばあきらめながらも未練がましくまだ移動して、ほんとうにソロソロ反転して帰ろうかと考え始めたその時、10mほど先に赤いウナギのようなものが立ち泳ぎしているのが見えました。アレ!なんか覚えがある!
そして戻ってきた記憶が、西表のYano Diving Serviceにお世話になったときに他のゲストが魚図鑑を見ながら「今度はこれを見たいもんだ」
「ああ、それは簡単に見られるもんじゃないよねー。ポイントと時期とタイミングが合わないとねー。普通の生息水深は100mだからなー」などと話題にしていたシーンでした。
その話題の主がアカタチだったのです。
その会話のゲストの一人はタンク本数が2000。もう一人も軽く1000本はいっているようでした。
当時ボクの本数は230。この本数は普通なら中級クラスだと思いますが、彼らと比べると初級もいいところ。水深だって40m以上深くにいったことはありません。
横から図鑑を覗いてそのユニークな姿が印象的だったものの、どうせ自分には見ることのできない無縁の魚と思われました。それよりも、本数が多くなるとこんな魚に興味が移るんだなー、とそっちの方が面白く感じたものでした。
それが、たった水深15mで巣穴から体を出してヒラヒラと舞っていたのでした。
夢にも思わなかったアカタチとの出会い!
しかし、この魚はものすごく敏感でした。自分ではソロリソロリと近寄って行ったつもりなのに、たった2mほど近づいただけで警戒して体を半分穴に引っ込めてしまいました。まだ遠すぎてアカタチであることは分かるけれど、きちんと姿が確認できません。時間をかけて更に2mほど近寄ったところで、完全に穴に入って姿が見えなくなってしまいました。
待っていればまた外に出てくるだろうと考えて、更に3mほど巣穴に近寄った場所でジーッと10分固まっていたのですが、当てが外れて穴はシーンとしたままで、帰りを考えるとギリギリの残圧になってしまい、結局スゴスゴと未練を残しながら帰路に着きました。
そしてフローレスの最後のダイビングです。当然、アカタチ再挑戦。
今度はまっしぐらに先ほどのポイントに行き、30分粘って、まだ警戒心を解かずに巣穴のそばで何時でも逃げ込める体制にしているアカタチをやっとのことで撮影することができました。
そのときは種類が何かは分からなかったのですが、後日図鑑を引いたらスミツキアカタチでした。
ボクは老年に達して60回以上の5月5日を経てきたわけですが、最高に嬉しかった5月5日はもちろんこの日です。